本格的にシリア内線に介入してきたロシア。ただし、誰もがそう感じているように目的は単なるイスラム国排除によるシリア情勢の安定ではないようです。
先日、ロシアは世界でも有数の特殊部隊として名高いスぺツナズをシリアに派遣したことで話題になっていましたが、今度は巡行ミサイルです。やはりロシア、生半可な行動はとりません。
ロシアは、今回の巡行ミサイルも「イスラム国」に向けて発射し、軍事施設や工場を破壊したといっていますがどこまで本当かわかりません。少なくとも、上の記事にあるようにロシアがアサド政権の支援を行っていることは確実です。
シリアはイスラム国の問題以前に内戦問題を抱えています。かつては、シリア民主化の救世主と呼ばれたアサドによる独裁と民主化を求める国民とが激しく衝突し、アサドは自国民に対して非人道的な容赦ない弾圧を加えていました。
今回のロシアは、そんなアサド政権の支援を行っています。このたびも、ロシアの空爆支援を受けてのアサドにより反政府組織に対する武力侵攻が行われたことが報道されました。
ロシアの目的とは一体何なのでしょうか?
イスラム国をシリアから追い出すことが、シリアの安定につながるという点は理解できますが、アサド政権が継続すれば民主化勢力と政府との対立は続き、結局シリアは混乱したままです。
民主化を求める反政府勢力にアメリカをはじめとした西側諸国がついていますが、それに対抗しての動きだとすると、中東における代理戦争が再現されてしまいます。
難民問題で、EUが荒れる中お構いなしに中東をかき乱すロシアという国、そしてプーチン大統領は油断ならない人物です。